生理が始まった途端、今度はお腹を下す。

生理前はあれだけ出なかったのに、生理1日目から何度もトイレに行くことになる。腹痛と一緒に来るから、生理痛なのかお腹が痛いのかも分からない。外出も予定も入れづらい。

私も毎月そうだった。便秘の次に下痢が来るので、「自分の腸はおかしいんじゃないか」とずっと思っていた。

生理中の下痢は、腸が弱いから起きているわけではありません。

生理を起こすために出る物質が、すぐ隣にある腸にも作用してしまうから。仕組みが分かると、備え方も変わります。

生理中に下しやすくなる理由

原因は2つある。どちらも生理そのものに必要な変化で、止めようがない。

1. プロスタグランジンが腸まで刺激する

生理が始まると、子宮内膜からプロスタグランジンという物質が出る。子宮を収縮させて経血を押し出すための物質で、これがないと生理は進まない。

ただ、子宮と腸は隣り合っている。子宮を収縮させるはずの物質が腸にも作用してしまい、腸の動きが強くなりすぎる。動きが強いと便が腸を通過する時間が短くなり、水分が吸収されないまま出ていく。これが下痢になる。

生理痛が重い人ほどこの物質が多いとされていて、痛みとお腹のゆるさがセットで来ることが多いのはこのためだ。

2. 黄体ホルモンが急に下がる

生理前の2週間は黄体ホルモンが多く、このホルモンには腸の動きをゆるやかにする作用がある。だから生理前は便秘になりやすい。

生理が始まるとこのホルモンが一気に下がる。ブレーキが外れた状態になるので、抑えられていた腸の動きが戻る。プロスタグランジンの刺激と重なって、反動のように動きすぎることになる。

つまり「生理前は便秘、生理中は下痢」という落差そのものが周期の一部です。

腸が不安定なのではなく、ホルモンの動きに正直に反応しているだけです。

その時期にしていること

完全に防ぐことはできない。ただ、ひどくなりにくくすることはできる。私がその数日だけ意識しているのはこの5つ。

生理前と生理中で、同じ食物繊維でも向き不向きが逆になるのが分かりにくいところだと思う。生理前は水溶性を足して便をやわらかく保ち、生理中は不溶性を控えて刺激を減らす。 覚えておくとその週の食事が決めやすい。

下している日に避けたほうがいいもの

薬を使うかどうか

市販の下痢止めを使うかは悩むところだと思う。

プロスタグランジンが原因で起きている下痢なら、その働きを抑える鎮痛薬で生理痛と一緒に軽くなることがある。使うタイミングや薬の選び方は体質や持病によって変わるので、自分で判断せず薬剤師か医師に相談してほしい。

ここで伝えたいのは、「毎月のことだから」と我慢し続ける必要はないということだ。

周期を記録すると、準備ができる

生理の開始日を記録しておくと、いつ下しやすい日が来るか予測できる。

予定が分かっていれば、その日に長時間の外出を入れない、温かいものを用意しておく、といった備えができる。起きてから慌てるのと、来ると分かっているのとでは、体も気持ちもまったく違う。

生理前の便秘についても同じことが言えるので、生理前だけ便秘になるのはなぜ?とあわせて読んでもらうと、周期全体の流れがつかめると思う。

これは受診したほうがいいというサイン

ここまでは周期に沿った範囲の話だ。次のような場合は、生理のせいだと片づけないでほしい。

子宮内膜症や過敏性腸症候群など、治療の対象になるものが隠れていることがある。生理痛がひどい場合も、我慢するものではなく相談していい症状だ。

看護師として現場にいた頃、「これくらいで受診していいのか分からなかった」と言う人を何人も見てきた。食事で整えるのは大事だけれど、それは病院に行かない理由にはならない。

まとめ

  • 生理中の下痢は、子宮を収縮させるプロスタグランジンが隣の腸まで刺激するために起きる
  • 黄体ホルモンが急に下がってブレーキが外れることも重なる
  • 「生理前は便秘、生理中は下痢」という落差そのものが周期の一部で、腸が弱いわけではない
  • 冷やさない・刺激物を減らす・水分は減らさない。食物繊維は不溶性を控えて水溶性に寄せる
  • 毎月のことだからと我慢し続けなくていい。痛みが強いときは相談していい

原因が分かってから、毎月その数日を身構えずに過ごせるようになった。腸が弱いんだと思い込んでいた頃より、ずいぶん楽になった。

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