毎月、同じ時期にお腹が張る。

生理予定日の1週間くらい前になると、急に出なくなる。お腹がぱんぱんで、服がきつい。気分も落ちて、なんとなく甘いものが増える。そして生理が始まると、今度は逆にゆるくなる。

ずっと「私の腸が弱いのかな」と思っていた。でも看護師として体の仕組みを学び直してから、これは体質の問題ではなく、ホルモンの周期に腸が正直に反応しているだけだと分かった。

生理前の便秘は、自分の努力が足りないから起きているわけではない。

仕組みを知ると、対処するタイミングも変わってくる。今回はその話を書きます。

生理前だけ便秘になるのは、黄体ホルモンのはたらき

排卵が終わってから生理が来るまでの約2週間、体の中では黄体ホルモン(プロゲステロン)が増えている。妊娠に備えて体を整えるためのホルモンで、この時期に体温が少し上がるのもこのホルモンの影響だ。

このホルモンには、腸の動きをゆるやかにするはたらきがある。腸が動きにくくなると、便が中にとどまる時間が長くなる。長くとどまるほど水分が吸収されるので、便が硬くなって出しにくくなる。

さらに黄体ホルモンは体に水分をため込む方向にはたらく。むくみやすくなり、お腹の張りも強く感じる。生理前に体重が1〜2kg増えるのも、この水分のことが多い。

つまり生理前の便秘は、その時期にそうなるようにできているということになる。毎月同じタイミングで来るのは、周期に沿って起きている証拠でもある。

生理が始まると、今度はゆるくなる理由

生理が始まると、今度は逆に下しやすくなる人が多い。私もそうだった。

生理が来ると黄体ホルモンが下がり、代わりにプロスタグランジンという物質が出る。子宮を収縮させて経血を押し出すためのものだが、子宮のすぐ隣にある腸にも作用してしまう。腸が刺激されて動きが強くなるので、下しやすくなる。

生理痛が重い人ほどこの物質が多いと言われていて、痛みとお腹のゆるさがセットで来ることが多い。

便秘の次に下痢が来ると「腸がおかしくなった」と不安になるけれど、これも周期の一部だと知っておくと、少し落ち着いて受け止められるようになった。

その1週間だけ、私が変えていること

毎日完璧に腸活をするのは無理だった。だから私は、生理前の1週間だけ意識を上げるやり方に変えた。周期が分かっていれば、あらかじめ備えられる。

これで生理前の便秘が完全になくなったわけではない。今でもその週はお腹が張る。ただ、「今週はそういう時期だ」と分かっているだけで、体重が増えても焦らなくなったし、出ない日が続いても自分を責めなくなった。

お腹の張りそのものより、原因が分からない不安のほうがつらかったのだと思う。

生理周期を記録すると、対処が早くなる

アプリでも手帳でもいいので、生理の開始日を記録しておくと便利だ。次の予定日が分かれば、その1週間前から備えられる。

私は記録を始めてから、「そろそろお腹が張る時期だな」と先に分かるようになった。起きてから対処するのと、来ると分かって備えるのとでは、体も気持ちもずいぶん違う。

それでもつらいときは、我慢しないでほしい

ここまで書いてきたのは、あくまで周期に沿った変化の話だ。

ただ、日常生活に支障が出るほどお腹が痛い、出血量が明らかに多い、痛みで動けない日がある、いつもと違う症状が続く——こういうときは、周期のせいだと片づけないでほしい。子宮内膜症など、治療が必要な病気が隠れていることもある。

便秘についても、市販薬を頻繁に使わないと出ない状態が続いているなら、一度受診したほうがいい。看護師として現場にいて、「もっと早く来ればよかった」と言う人を何度も見てきた。食事で整えるのは大事だけれど、それは病院に行かない理由にはならない。

まとめ

  • 生理前の便秘は黄体ホルモンが腸の動きをゆるやかにするために起きる。体質や努力不足のせいではない
  • 生理が始まると別の物質が腸を刺激するので、今度は下しやすくなる。どちらも周期の一部
  • 備えるなら生理前の1週間。水分と水溶性食物繊維を先に足しておく
  • 周期を記録しておくと、来る前に備えられる
  • 痛みが強い・いつもと違う症状が続くときは、周期のせいにせず受診する

毎月来るものだから、うまく付き合えるようになると、それだけで一か月が少し軽くなる。