夜勤が続くと、出なくなる。

日勤だけの週は普通に出ていたのに、夜勤が入った週だけ止まる。夜勤明けは体が重くて、お腹は張っているのに何も起きない。そのうち何日出ていないか数えるのもやめてしまう。

私は看護師として7年間、夜勤のあるシフトで働いていた。その頃のお通じは、週に1回出るかどうかだった。当時は「忙しいから仕方ない」「自分の腸が弱いから」と思っていたけれど、今ならそうではなかったと分かる。

夜勤で便秘になるのは、根性や体質の問題ではない。

腸には時間で動く仕組みがあって、夜勤はその仕組みを正面から崩す働き方だから。シフトは変えられなくても、仕組みが分かると打てる手は変わってくる。

腸は「時間」で動いている

腸の動きは、体内時計に強く結びついている。脳にある親時計だけでなく、腸そのものにも時計の仕組みがあって、光と食事のタイミングで時刻を合わせている。

朝、光を浴びて朝食が入ると、胃に食べ物が入った刺激で大腸が大きく動く。これを胃・結腸反射という。多くの人が朝にトイレに行きたくなるのはこの反射が起きるからで、1日のうちで一番強く腸が動くタイミングでもある。

夜勤はここを丸ごと崩す。朝に光を浴びず、食事の時間もずれ、一番動くはずの時間帯に寝ている。腸からすると「いつ動けばいいのか分からない」状態が続くことになる。

夜勤で便秘になる4つの理由

崩れ方は1つではなくて、いくつかが重なっている。

4つ全部が同時に起きているので、水分を足すだけ、食物繊維を足すだけでは戻りにくい。夜勤明けに1日寝ても回復しきらないのは、生活のリズムごとずれているからだ。

シフトは変えられない。変えられるのはどこか

この手の記事でよくある「規則正しい生活を」という結論は、夜勤で働く人には何の役にも立たない。夜勤をやめられるなら最初からやめている。

だから変えられないもの(勤務時間・光を浴びる時間)と、変えられるもの(水分・食事の中身・夜勤明けの過ごし方)を分けて考えるほうが現実的だと思う。

変えられないもの 勤務時間、仮眠の長さ、忙しさ

変えられるもの 水分の取り方、夜勤中に食べるもの、夜勤明けに何を食べていつ寝るか

夜勤中にできること

夜勤明けにやること

ここが一番効く。夜勤明けは「早く寝たい」しか考えられないけれど、寝る前の30分の使い方で翌日の戻り方が変わってくる。

夜勤をしていた頃の私は、帰ってすぐ寝て、起きたらお菓子で済ませていた。ここを整えるという発想がそもそもなかった。腸活を始めて食事のリズムと便通のつながりが分かってからは、明けの数時間こそ一番効く場所だったのだと思うようになった。

連勤の谷を作らない

夜勤が続く週は、腸活を頑張ろうとしても続かない。だから完璧にやろうとせず、切らさないことだけを目標にするほうがいい。

発酵食品を毎日ちょっとだけ入れる。みそ汁を1杯飲む。納豆を1パック食べる。夜勤の週にできるのはそのくらいで十分だと思っている。ゼロになる日を作らないことのほうが、量より効いてくる。

それでも出ないときは、我慢しないでほしい

ここまで書いてきたのは、生活のリズムで説明がつく範囲の話だ。

ただ、1週間以上出ない状態が続いている、市販の便秘薬を使わないと出ない日が増えている、お腹の痛みが強い、便に血が混じる——こういうときは生活習慣のせいだと片づけないでほしい。夜勤のせいにしていた症状の裏に、別の原因が隠れていることもある。

看護師として現場にいた頃、自分の不調は後回しにする人を何人も見てきたし、私自身もそうだった。患者さんには「早めに受診してください」と言いながら、自分は数年放置していた。食事で整えるのは大事だけれど、それは病院に行かない理由にはならない。

まとめ

  • 夜勤の便秘は体質や根性の問題ではなく、腸が時間で動く仕組みが崩れることで起きる
  • リズムのずれ・我慢・水分不足・自律神経の4つが重なっているので、単発の対策では戻りにくい
  • シフトは変えられないので、水分の取り方・夜勤中の食事・明けの過ごし方に絞る
  • 一番効くのは夜勤明け。寝る前に軽く食べて、寝すぎず、起きてからの1食をちゃんと食べる
  • 夜勤の週は完璧を目指さず、発酵食品を切らさないことだけを守る

夜勤をしていた頃の自分に一番言いたいのは、「あれはあなたのせいじゃない」ということだ。仕組みが分かっていれば、もう少し早く楽になれたと思う。